◆性別推定:頭蓋骨

●性別推定:頭蓋骨

 性別推定で一番有効なのは寛骨ですが、寛骨が破損していたり出土しない場合には、頭蓋骨でもある程度性別を推定することが可能です。一般的に、男性の頭蓋骨は女性のものよりも大きくがっしりとしています。一方、女性の頭蓋骨は男性のものよりも小さく華奢でなめらかです。 

・前頭骨

 頭蓋骨の側面観では、女性の前頭骨が真っ直ぐに立ち上がっているのに対し、男性では後ろに後退しています。

・眉弓

 前頭骨の目の上の部分の眉弓は、男性では大きく発達しているのに対し、女性では小さくあまり発達していません。

・眼窩上縁

 眼窩上縁は、男性では太く大きいのに対し、女性では鋭く薄く小さいのが特徴です。

・乳様突起

 側頭骨にある乳様突起は、男性では大きく発達しているのに対し、女性では小さく華奢です。

・頤(オトガイ)

 下顎骨の頤(オトガイ)は、男性では大きく発達しているのに対し、女性では小さく華奢であまり発達していません。

Buikstra & Mielke (1985)より改変して引用
Buikstra & Mielke (1985)より改変して引用