動物種別獣骨報告(楢崎修一郎が報告したもののみ)

動物種別獣骨報告:ブタ(豚)・ウシ(牛)・ウマ(馬)の模型[左から]
動物種別獣骨報告:ブタ(豚)・ウシ(牛)・ウマ(馬)の模型[左から]

 私がこれまで報告してきた獣骨を、動物種別に分けてみました。2005年に、私が、群馬県出土獣骨をまとめた時には、ウマ(馬)[51遺跡]・ウシ(牛)[20遺跡]・シカ(鹿)[12遺跡]・イヌ(犬)[10遺跡]・イノシシ(猪)かブタ(豚)[9遺跡]という順番でした。

 今回、私が報告したものをみると、圧倒的にウマ(馬)が多く、シカ(鹿)・イノシシ(猪)かブタ(豚)・イヌ(犬)・ウシ(牛)・ネコ(猫)という順番になりました。

 

楢崎修一郎(2005年)「群馬県出土獣骨データベース:(財)群馬県埋蔵文化財調査事業団編」、『財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団研究紀要』、第23号、pp.110-118

註:報告者名は、連名の場合のみ記載しています。記載されていないものは、単独報告です。

◆ウマ(馬)

ウマ(馬):遺跡出土動物種別獣骨
ウマ(馬):遺跡出土動物種別獣骨

ウマ(馬)

 

 ウマは、弥生時代に大陸か半島から渡来人が持ち込んだと推定されています。

 群馬県の遺跡から一番多く出土する獣骨は、ウマです。但し、そのほとんどが馬歯のみで、全身骨格が出土している事例は多くありません。

●2012年New!

・「第4章・7.東宮遺跡出土獣骨」、『東宮遺跡(2):遺物編』、群馬埋文第536集、pp.480-485

●2011年

・「東田之口遺跡出土馬歯」、『東田之口遺跡』、群馬埋文第523集、p.336-337

「大道西遺跡出土馬歯」、『大道西遺跡』、群馬埋文第517集、pp.134-135

●2010年

「西野原遺跡出土馬歯」、『西野原遺跡(5)(7)』、群馬埋文第489集、pp.525-526

・「横壁中村遺跡(10)出土中近世獣骨」、『横壁中村遺跡(10)』、群馬埋文第488集、pp.232-234

・「斉田中耕地遺跡出土馬歯」、『斉田中耕地遺跡』、群馬埋文第484集、pp.256-257

●2009年

「荒砥前田Ⅱ遺跡出土馬歯」、『荒砥前田Ⅱ遺跡』、群馬埋文第472集、pp.434-435

・「古氷条里制水田跡遺跡出土獣骨」、『古氷条里水田跡遺跡』、群馬埋文第459集、p.67

・「白井北中道Ⅲ遺跡出土馬歯」、『白井北中道Ⅲ遺跡(1)』、群馬埋文第455集、pp.233-234

●2008年

「福島飯玉遺跡出土馬歯」、『福島飯玉遺跡』、群馬埋文第466集、p.164

・「西川原古墳群出土馬歯・馬骨」、『西川原古墳群』、群馬埋文第442集、pp.58-59

・「横壁中村遺跡土坑出土獣骨」、『横壁中浦遺跡(6)』、群馬埋文第436集、pp.293-296

●2007年

「大鷲遺跡出土馬歯」、『大鷲遺跡』、群馬埋文第419集、p.242

・「中郷田尻遺跡出土馬歯・馬骨」、『中郷田尻遺跡』、群馬埋文第412集、p.135-137

・「上郷岡原遺跡出土馬歯」、『上郷岡原遺跡(1)』、群馬埋文第410集、pp.78-79

・「引間六石遺跡出土獣骨」、『引間六石遺跡』、群馬埋文第397集、pp.304-312

・「細谷八幡遺跡出土馬骨」、『細谷八幡遺跡』、群馬埋文第394集、pp.318-327

・「高井桃ノ木遺跡出土馬歯・馬骨」、『高井桃ノ木遺跡』、群馬埋文第385集、pp.49-50

・「田中田遺跡Ⅱ出土馬歯」、『田中田遺跡Ⅱ』、群馬県伊勢崎市教育委員会、pp.112-113

・「越切遺跡Ⅱ出土馬歯」、『越切遺跡Ⅱ・叺遺跡Ⅲ』、群馬県伊勢崎市教育委員会、pp.155-156 

●2006年

「高源地東Ⅰ遺跡出土獣骨」、『高源地東Ⅰ遺跡』、群馬埋文第383集、p.416

・「棟高辻久保遺跡出土獣骨」、『棟高辻久保遺跡』、群馬埋文第377集、pp.451-457

・「島悪途遺跡出土馬歯・馬骨」、『島悪途遺跡』、群馬埋文第376集、pp.97-100

・「高崎城ⅩⅤ遺跡出土獣骨」、『高崎城ⅩⅤ遺跡』、群馬埋文第369集、pp.233-230

・「元総社小見内Ⅹ遺跡出土獣骨」、『元総社蒼海遺跡群(5)』、前橋市埋蔵文化財発掘調査団、pp.93-94

●2005年

「浜町遺跡出土馬骨」、『浜町遺跡』、群馬埋文第358集、p.325

・「高林三入伊勢kい出土馬骨」、『高林三入遺跡』、群馬埋文第357集、pp.281-286

・「塚田村東Ⅳ遺跡・塚田中原遺跡出土獣骨」、『塚田村東Ⅳ遺跡・塚田中原(0)遺跡・引間松葉遺跡』、群馬埋文第347集、p.320

・「石原東遺跡出土獣骨」、『石原東遺跡』、群馬埋文第340集、pp.333-334

●2004年

「荒砥宮田遺跡出土馬歯」、『荒砥宮田遺跡Ⅱ・荒砥前田遺跡』、群馬埋文第336集、pp.229-230

2003年

「元総社西川遺跡・塚田中原遺跡出土獣骨」、『元総社西川遺跡・塚田中原遺跡』、群馬埋文第323集、pp.360-362

・「第3節.稲荷塚道東遺跡出土馬歯・馬骨」、『稲荷塚道東遺跡』、群馬埋文第320集、pp.172-175

・「菅谷石塚遺跡出土馬歯」、『菅谷石塚遺跡』、群馬埋文第313集、p.174・p.178

・「宿横手三波川遺跡・西横手遺跡群出土獣骨」、『宿横手三波川遺跡・西横手遺跡群』、群馬埋文第310集、p.420-427

2002年

「鶴光路榎橋遺跡出土獣骨」、『鶴光路榎橋遺跡』、群馬埋文第294集、pp.192-197

2001年

「元総社西川遺跡出土馬歯」、『元総社西川遺跡』、群馬埋文第288集、pp.91-94

・「Ⅴ.77号土坑出土馬歯について」、『一ノ宮本宿・郷土遺跡Ⅱ・一ノ宮古墳群』、群馬県富岡市教育委員会、pp.175-180 

◆ウシ(牛)

ウシ(牛):遺跡出土動物種別獣骨
ウシ(牛):遺跡出土動物種別獣骨

ウシ(牛)

 

 ウシは、ウマと同様に弥生時代末から古墳時代に渡来人が大陸か半島から持ち込んだと推定されています。国内では、5世紀頃から出土しています。

 群馬県の遺跡から出土した獣骨では、ウシはウマに次いで2番目に多く出土しています。

●2008年

「大泉町間之原遺跡Ⅳ出土牛歯」、『大泉間之原遺跡Ⅲ・Ⅳ』、群馬埋文第449集、pp.79-80

●2006年

「棟高辻久保遺跡出土獣骨」、『棟高辻久保遺跡』、群馬埋文第377集、pp.448-450

●2002年

「鶴光路榎橋遺跡出土獣骨」、『鶴光路榎橋遺跡』、群馬埋文第294集、pp.192-197

◆イノシシ(猪)・ブタ(豚)

イノシシ(猪)・ブタ(豚):遺跡出土動物種別獣骨
イノシシ(猪)・ブタ(豚):遺跡出土動物種別獣骨

イノシシ(猪)・ブタ(豚)

 

 ブタは、イノシシを家畜化したものです。国内では、弥生時代に渡来人が大陸からブタを持ち込んだと推定されています。ただ、残存部位が多くないと、イノシシかブタかと同定することは困難です。

2009年

「横壁中村遺跡(9)住居出土獣骨」、『横壁中村遺跡(9)』、群馬埋文第466集、pp.232-234[イノシシ]

・「横壁中村遺跡29区6号住居出土獣骨」、『横壁中村遺跡(8)』、群馬埋文第462集、pp.233-234[イノシシ]

●2008年

「横壁中村遺跡土坑出土獣骨」、『横壁中村遺跡(6)』、群馬埋文第436集、pp.293-296[イノシシ]

●2007年

「引間六石遺跡・引間松葉遺跡・塚田的場遺跡・塚田中原遺跡出土獣骨」、『引間六石遺跡』、群馬埋文第397集、pp.304-312[ブタかイノシシ]

●2006年

「棟高辻久保遺跡出土獣骨」、『棟高辻久保遺跡』、群馬埋文第377集、pp.451-457[ブタかイノシシ]

・「高崎城ⅩⅤ遺跡出土獣骨」、『高崎城ⅩⅤ遺跡』、群馬埋文第369集、pp.223-230[ブタかイノシシ]

・「綿貫小林前遺跡出土獣骨」、『綿貫小林前遺跡』、群馬埋文第365集、p.715[ブタかイノシシ]

◆イヌ(犬)・オオカミ(狼)

イヌ(犬)・オオカミ(狼):遺跡出土動物種別獣骨
イヌ(犬)・オオカミ(狼):遺跡出土動物種別獣骨

イヌ(犬)

 

 イヌは、オオカミを家畜化したものです。国内では、縄文時代早期から出土しています。ただ、保存状態が良い頭蓋骨が出土していないと、オオカミかイヌかと同定することは非常に困難です。

●2012年New!

・「第4章・7.東宮遺跡出土獣骨」、『東宮遺跡(2):遺物編』、群馬埋文第536集、pp.480-485

2007年

「引間六石遺跡・引間松葉遺跡・塚田的場遺跡・塚田中原遺跡出土獣骨」、『引間六石遺跡』、群馬埋文第397集、pp.304-312

2006年

「高崎城ⅩⅤ遺跡出土獣骨」、『高崎城ⅩⅤ遺跡』、群馬埋文第369集、pp.222-230

●2005年

「石原東遺跡出土獣骨」、『石原東遺跡』、群馬埋文第340集、pp.333-334

2003年

「元総社西川遺跡・塚田中原遺跡出土獣骨」、『元総社西川遺跡・塚田中原遺跡』、群馬埋文第323集、pp.360-362

・「上福島中町遺跡出土獣骨」、『上福島中町遺跡』、群馬埋文第318集、pp.232-233

・「宿横手三波川遺跡・西横手遺跡群出土獣骨」、『宿横手三波川遺跡・西横手遺跡群』、群馬埋文第310集、pp.420-427

◆ネコ(猫)

ネコ(猫):遺跡出土動物種別獣骨
ネコ(猫):遺跡出土動物種別獣骨

ネコ(猫)

 

 ネコは、弥生時代に大陸か半島から持ち込まれたものです。ただ、遺跡から出土する事例は少なく、中世・近世になると増加します。群馬県では、あまり多く出土していません。

●2012年New!

・「第4章・7.東宮遺跡出土獣骨」、『東宮遺跡(2):遺物編』、群馬埋文第536集、pp.480-485

●2003年

「宿横手三波川遺跡・西横手遺跡群出土人骨」、『宿横手三波川遺跡・西横手遺跡群』、群馬埋文第310集、pp.420-427

◆シカ(鹿)

シカ(鹿):遺跡出土動物種別獣骨
シカ(鹿):遺跡出土動物種別獣骨

■シカ(鹿)

 

 シカは、縄文時代ではイノシシと並ぶ2大出土獣骨です。群馬県では、ウマ・ウシに次いで3番目に多く出土しています。

●2012年New!

・「第4章・7.東宮遺跡出土獣骨」、『東宮遺跡(2):遺物編』、群馬埋文第536集、pp.480-485

●2010年

「横壁中村遺跡(10)出土中近世獣骨」、『横壁中村遺跡(10)』、群馬埋文第488集、pp.232-234

2009年

「横壁中村遺跡(9)住居出土獣骨」、『横壁中村遺跡(9)』、群馬埋文第466集、pp.348-349

・「横壁中村遺跡29区6号住居出土獣骨」、『横壁中村遺跡(8)』、群馬埋文第462集、pp.221-224

●2008年

「横壁中村遺跡出土獣骨」、『横壁中村遺跡(6)』、群馬埋文第436集、pp.293-296

●2007年

・「長野原一本松遺跡5区2号配石出土獣骨」、『長野原一本松遺跡(2)』、群馬埋文第409集、p.309

●2006年

・「高崎城ⅩⅤ遺跡出土獣骨」、『高崎城ⅩⅤ遺跡』、群馬埋文第369集、pp.223-230

2005年

「第1章(9).久々戸遺跡出土獣骨」、『久々戸遺跡(2)・中棚Ⅱ遺跡(2)・西ノ上遺跡・上郷A遺跡』、群馬埋文第349集、p.42

●2000年

 「5.こうもり穴発掘調査」、『群馬県立自然史博物館調査報告書』、第1号、pp.61-67[楢崎修一郎・宮崎重雄]

◆ネズミ(鼠)

ネズミ(鼠):遺跡出土別獣骨種別獣骨
ネズミ(鼠):遺跡出土別獣骨種別獣骨

■ネズミ(鼠)

 

 ネズミは、遺跡からあまり出土していません。骨が小さいので、目の細かいメッシュのフルイで水洗しないと出土しない場合が多いからです。

●2000年

 「5.こうもり穴発掘調査」、『群馬県立自然史博物館調査報告書』、第1号、pp.61-67[楢崎修一郎・宮崎重雄](カワネズミ・ジネズミ)